[松尾鉱山] 1914年に松尾鉱業が創設され、本格操業。繊維や紙などの製造過程で使われた硫黄や硫酸を生産。最盛期の50年代半ばには、鉱石採掘量年間100万トンを誇る東洋一の大規模鉱山になった。約4000人の従業員と家族1万5000人余りが暮らし、病院や理髪店、劇場など最先端の厚生施設やアパート、学校などが建てられ、「雲上の楽園」と言われるほどの都市を形成した。石油からの硫黄回収が主流になって役目を終え71年に松尾鉱業は倒産、翌72年に鉱山は閉山した。
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 廃墟と化したコンクリート造りの集合住宅が、山肌にへばりつくように並ぶ。よく見ると、扉はおろか、窓ガラスも何もなく、壁が剥落(はくらく)したところも。その異様な姿は、周りの山の緑とは対照的に寂しげで無機質な雰囲気を漂わせていた。
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